6 情報編 注目運動療法、普及はこれから2010年9月26日 asahi.comより抜粋運動器 慢性腰痛:6 情報編 注目の運動療法、普及はこれから 慢性腰痛は一般に、腰の痛みが起きてから症状が3カ月以上続き、脚の知覚や筋力などに大きな異常がみられない状態をいう。 今回紹介した臼井康弘さん(45)は画像診断で腰椎(ようつい)の椎間板(ついかんばん)ヘルニアが見つかったが、これが腰痛にどれくらい影響したのか、詳しくはわからないという。慢性腰痛は痛みを起こす原因がはっきりしないことが多い。 非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)と呼ばれる飲み薬を使うほか、リハビリテーションで改善を目指すのが治療の基本だ。腰を引っぱる牽引(けんいん)療法や温熱療法といった物理療法もあるが、最近、はっきりしてきたのは運動療法による改善効果だ。 日本整形外科学会(日整会)など3学会でつくる研究グループが、全国の慢性腰痛の患者201人に協力してもらい、運動療法とNSAIDsの服用を、それぞれ8週間続けてもらう臨床試験をした。 その結果、痛みそのものの改善度はほぼ同等だった。でも、腰痛に伴う生活上の不便や精神的な影響などを含めた指標では、運動療法の人たちの改善度合いが勝っていた。 運動で取り組んでもらったのは(1)仰向けに寝て上半身を起こす腹筋(2)うつぶせでおへその下に枕をはさみ、上半身を起こす背筋(3)仰向けで片ひざを両手で抱えて胸の方に引きつける、腰・背中・おなかのストレッチ(4)仰向けで片方の太ももを垂直に上げ、両手で抱えた状態でひざを伸ばす、太ももの裏側のストレッチだった。 腹筋と背筋は体を起こして5秒間、ストレッチは片脚ずつ筋肉を伸ばして10秒間、静止する。動きはゆっくりと。10回1セットを1日2セット以上してもらった。手法は整形外科医や理学療法士らが指導したという。 臼井さんは独自に筋トレやストレッチをしたが、効果は続かなかった。専門の理学療法士についてもらってやり方を学んだことが、腰痛の改善につながったようだ。 ただ、運動療法に本格的に取り組む施設は多いとは言えない。岡山大病院総合リハビリテーション部の千田益生(せんだますお)部長は「運動療法の効果は、まだ、整形外科医の間でも十分には知られていない」と話す。 日整会認定の運動器リハビリテーション医は運動療法にも詳しいという。学会のウェブサイト(http://www.joa.or.jp/)に名前などがある。 http://www.joa.or.jp/ (田村建二) ===抜粋終わり=== 戻る ジャンル別一覧
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